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研修旅行(その1):鉄道博物館見学と京都市市街地調査!

他大学の研究室を訪問して、研究室とはどのようなものか知ることを主目的に3日間のゼミ研修旅行に行ってきました。
1日目(6月27日)は、久保田先生の案内等を元に京都市の市街地を散策しました。
2日目(28日)は京都大学川﨑研究室を訪問し、先生や学生さんから研究室についてお話をいただきました。また大阪に本社のあるコンサルタント会社、中央復建コンサルタンツを訪問し、コンサルタントとしてコンペに参加したときの体験等を伺うことができました。
3日目(29日)は、岐阜大学出村研究室等が運営しているまちなかの研究室、美殿町ラボを訪問し、まちなかで活動することのメリットなどをお話いただきました。


「1日目: (午前)鉄道博物館、(午後)京都市市街地調査」

○京都鉄道博物館にて

27日に最初に訪問したのが、京都鉄道博物館です。館内に入ると、かつて大阪と北陸方面を結んでいた特急「雷鳥」など多くの車両展示が出迎えてくれて圧巻でした。館内では日本における鉄道の歴史、鉄道の安全や利便性を支えるための技術が紹介されています。

実物の車両展示は圧巻です

特急「雷鳥」

梅小路操車場

私は特に、「鉄道の施設」展示の橋の構造の紹介コーナーが印象に残っています。橋は、板1枚を横にして架けるより、下部に縦向きの板を付けた方が強い構造になります。

板1枚を横に架けた場合

下部に縦方向の板を設けた場合

これがガーダー橋(桁橋)の構造の仕組みです。この仕組みの理論は大学の構造力学の授業で登場します。(横向き板より縦向き板の方が上から押す荷重に強いのは、断面二次モーメントの違いによります)館内には家族連れが多く、展示を熱心に見ている子供達がいました。この子達が、このような理論を知るのは高校・大学以降になると思うと感慨深かったです。

展示されていたDD51形756号機

DD51形の車輪部分

ちなみに電車の車両も、構造的には桁橋の構造です。(先生に教えていただきました)車両両端の車輪が、橋における支承になります。桁橋は上から押す荷重が掛かると橋全体を曲げようとする力が働きます。特に橋中央に最大の力が掛かるため破壊されないようにする必要があります。その対策の一つが、中央部分の桁高さ(縦向き板の高さ)を大きくとることで構造を強くすることです。館内で見た貨物列車車両も床の下は梁で支えており、中央部分の梁高は高くなっていました。意外なところで、構造力学の理論の応用の幅広さを実感しました。

○角屋おもてなし文化美術館にて

京都鉄道博物館見学後、島原エリアに移動し散策することに。島原は江戸時代以来、公許の花街として発展してきた町です。私たちは散策中に通りかかった角屋もてなしの文化美術館を見学しました。

この施設では、現存する唯一の揚屋建築である「角屋(すみや)」を美術館の一部として公開しています。揚屋とは今の料亭に当たる店です。揚屋建築は、大座敷に面した広庭に茶席を配置している、庫裏(お寺の台所)と同規模の台所を備えていることなどが特徴です。角屋の台所は、段差が無いことや限られたスペースを有効に活用するため床下収納があることが特徴です。これは多人数の宴会の準備をする際、台所に大勢の人が出入りしても作業しやすいようにするためだと考えられています。
またお店の代金は掛売り制(つけ)で、利用者は暮とお盆にまとめて支払うことになっていました。そのためちゃんとお金を支払う信頼がある人しかお客様として迎えない「一見さんお断り」の仕組みができたと考えられています。貴重な建築物について知ることができ、また「一見さんお断り」という仕組みが人との信頼性を大切にするためのものであったことが分かりました。

島原大門

角屋「中庭」

角屋「網代の間」(重要文化財)

○旧明倫小学校(京都市立芸術センター)

角屋もてなしの文化美術館を後にし、旧明倫小学校(現:京都市立芸術センター)に訪れました。ここはなんと久保田先生の母校で、実際にこの建物で小学校時代を過ごしたそうです。建物を周りながら先生の小学校時代の思い出を聞き、かつて学校として使われていた様子をイメージできたので普通に見学するのとはまた違った角度で見ることができました。建物は現在、クリエイターのためのアトリエ、演劇の稽古場の他、市の図書室やカフェが設けられた施設になっています。

正門より建物を見ると、玄関口上方に設けられた3連の円形窓が目に留まります。先生によるとこの窓と西端塔屋の寄棟屋根の意匠は、祇園祭の山鉾がモチーフになっているそうです。

かつて教室だった部屋は創作活動のために使う倉庫や制作室として使用されています。先生によると廊下の雰囲気も当時のままで、白線も通行方向を定めるガイドとして引かれたものがそのまま残っているそうです。

かつての校庭は開放されているようで、市民の方がテニスを楽しんでおられました。先生によると校庭は狭いため、50メートル走のタイムを測るときは、校庭背面にある体育館からスタートしていたそうです。体育館と校庭の間には段差があるため、これを飛び越えて走っていたそうなので、旧明倫小学校の児童たちは普通の走りに加えてジャンプ力も鍛えられていたのではと思いました。

○1日目を振り返って

当初、1日目は午前中に京都市に到着して、午後に市街地調査をする予定でしたが、市街地調査の時間を増やすため前泊して京都入りすることに変更しました。市街地を散策してみて、改めて見どころが多く、調査の時間が増えて良かったと思いました。京都には中高生の時に旅行で来たことがありますが、都市景観や建築の知識を持ってまちを散策すると観光地はもちろん何気ない町並みにも発見があるんだと実感しました。(上埜)

祇園の茶寮都路里で休憩(^^)


2021.6.27
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